速読の怪 - フォントの種類

前ページに引き続き速読に関連して、フォントの種類がどうリーディングに影響を及ぼすかを少し触れましょう。なお、これは出版物の場合とWeb上の情報を画面で見るのでとは少し話が違う部分があります。

  • 世の中いろいろな種類のフォントがありますよね。出版物の世界ではもとより、最近ではPC上のフォント表現も実に多彩にできるようになりました。
  • なお、ここでは英文フォントに限ってのお話をします。フォントは大きく分けて2種類のものがあります。Serif系とSan-Serif系です。さて、下にSerifとSan−serifの両方を載せますので読んでみてください。文章は前ページのTimeの抜粋です。
  • San-Serif系: Without knowing it, the stunted, starving young man speaks for a nation that is beginning to show the stress cracks of a bankrupt leadership. On Oct. 4, North Korea acknowledged that it was secretly trying to build nuclear weapons.
  • Serif系: Without knowing it, the stunted, starving young man speaks for a nation that is beginning to show the stress cracks of a bankrupt leadership. On Oct. 4, North Korea acknowledged that it was secretly trying to build nuclear weapons.
  • ごらんのようにSerif系のフォントには横方向に”ひげ”がついてますね。どうしてつくようになったかの歴史は話せば長いので省きますが、このひげの効果で文章の横方向に、より強い流れがあるのがわかると思います。これによってラインを失うことなく速く読むのに適しているわけです。したがって英文の出版物は本文には大体この手のフォントを採用しています。
  • 一方、San-Serif系はいわゆるブロックタイプのタイプフェイスのことです。本来見出し、ヘッダー、表組などに多く用いられてきたタイプです。速読よりも単語単語のアイキャッチにより主眼が置かれているわけです。ただし、最近ではSan-Serifでも非常に読みやすいフォントも出てきているので必ずしもこの限りでは無い場合もあるようです。また、PCの画面上では解像度の関係もありよりシンプルなSan-Serifの方がいい場合もあるようです。
  • 直接速読に関係のない話になってしまいましたが、スムーズな横方向への目の移動というのは前ページの文章幅とも合わせて、速読に関係があるということはおわかりいただけたのでは、と思います。